善蔵はいささか美紅の発言に引っ掛かるものを感じて、美紅の部屋へ向かった 扉を開けると、座り込んだまま宙を見ている祖母がいた その光景を、善蔵は久しぶりに見たと思った 「おい、大丈夫なのか」 あえて”久しぶり”といったのにはわけがある 「悪魔が、悪魔がきた・・・」 この光景はあの美紅が初めて自分の中の悪魔を暴れさせた日に見たことがあるのだ 「ついに、この日が来てしまったのか…」 善蔵はそうつぶやいた