祖母は昔から"私たち"の母代わりだった


私は"母"の愛情を受けてきたかもしれない





でも美紅は誰から?





今だかつて愛情らしい愛情を受けたことがあったかしら?


冷静に過去を思い返してみた





「零に等しいじゃない」





やっと得られた愛してくれる人-それが晴樹だったのだ



美月は無心で食事を胃に入れ、後片付けもぬかりなく終えて台所を後にした





「美紅は、“美紅の幸せ”を手に入れるべき時がきたのね」



私は少し“我慢すべき時”がきた、それだけのことね




美紅、あなたのために幸せになりなさい



今までの不幸を塗り替えるくらい幸せになりなさい