執事と共にバレンタインを。

誰も、ガムテープが剥がされていることを咎めはしない。

むしろ、そんなことも気に止まらないくらいの怒りがカトウにはあるようだった。


「小娘ぇ、こりゃなんだっ」


と、チョコレートの入った箱を突きつけてきた。

蓋は開いている。