愛美「海だー…」



私は夕焼けに照らされながら、海に見惚れる。

両親の思い出の場所でもある海。

サンダルを脱ぎ、デニムの裾を膝まで上げ、私は海に入った。



愛夏「愛美…?」



将人に腕を組んで立ってるお姉ちゃんが、私を心配そうに見てる。

私はそんなお姉ちゃんに微笑み、足でバシャバシャと海を蹴る。

波にユラユラ揺れながら水面に映る私に被さるように、雅が浮かぶ。

ーーバシャンッ

私は手で水面を払うように叩く。

どうして、私がこんな目に遇わなくちゃイケなかったの?

何で、好きじゃない筈の雅が女の子と話してたからって、逃げたの?