キッチンでマグカップを洗ってる将人に近付く。

将人は「どうかしました?」と、振り返って来た。



愛美「将人はどうして、今まで結婚しなかったの?」



回りくどい言い方をする私。

確信を言えないのだ。

誰かと付き合いたいとか、結婚したいという気持ちが、前より失せてしまった。

けど、親は私の子供を見たいと思ってるかも知れない。



将「若い頃は仕事が大切でした。けど、ある日から、自分の年の事も忘れて、愛夏の幸せを見届けてからと思ってました」



私は将人のお姉ちゃんに対する想いがわかり、頬の筋肉が緩んだ。

こんな良い人に、想われて幸せだろうな…。

私は、容姿だって悪いし、幸せになんて、なれないのかも知れない。