大学の中庭。

男友達の、白石千尋ーシライシチヒローと黄昏中。

千尋の父親は、母親の後輩の、白石拓哉ーシライシタクヤーさん。

実家の家業とは別に、輸入会社を立ち上げた、凄いやり手の人。

拓哉さんを知る将人は、私が千尋を“彼氏”だと嘘を言った時、「良かったな」と言った。

反対とか、「行くな」なんて、一言も言わなかった。

私は、後にも先にも、引けなくなった。



千「仲直りしたのか?」



愛夏「してない。将人はするつもりもないかもね。目を合わせないし」



私は自分で言ってて寂しくなった。

千尋は「そんなんじゃ俺、いつまでも彼氏を演じねぇとダメじゃん」と嘆く。