心臓は動いてるのに、何で雅は起きないのだろう。

呼吸だって…酸素マスクはしてるけど、自分で呼吸してるんだよ?



愛美「雅…起きて?」



私がやっと喋ったというのに、雅は無反応。

指を動かす事もない――…。

私が窓に視線を向ければ、歪な月が、私たちを照らしていた。

不気味な月が浮かぶ空の下、お姉ちゃんと将人が別れてたなんて、この時は知らなかった。

雅も、起きる事がなく、時間だけが、無情にも、過ぎ去ろうとして居た…―――。