「さようなら」と言って、猪狩先生に頭を下げて教室を出た。

蕾兄に手を引かれながら階段を下り、学校を出た。



瑠「――愛美!」



校門を出た刹那、瑠奈に呼び止められた。

私は躊躇いつつ、後ろへと振り返る。



瑠「雅さんと、結婚するの?」



愛美「…うん」



瑠「雅さん、直海ちゃんに謝らないの?」



…何で、雅が謝らないといけないの?

私は瑠奈を睨んだ。

蕾兄は「お前、馬鹿?」と、瑠奈に言う。



蕾「三島直海が居なければ、雅も愛美も苦しまなかったんだぞ?部外者が口を挟むな!」



瑠「……どういう事ですか?」



蕾兄の言葉に、瑠奈は“意味がわからない”という顔をした。