愛夏「お腹の子、雅先輩の、子供だよね…?」



けど、私の口から出たのは、このセリフだった。

雅先輩の、子供であって欲しかった。

―――しかし、現実はそうそう、甘くはなかった。



将「雅君は、“避妊してた”」



愛夏「……そんな……」



頭の中が、真っ白になった。

雅先輩でなければ、あの時のヤツらの子。



将「産むか産むまいかは、愛美たち次第だな…」



将人はやりきれないというような顔。

子供が出来る事は、喜ばしい事。

でも、素直に喜ぶ事は出来ない。

私は将人と、無言でリビングに戻った。