映画館を出て、私たちはショッピングモールへと来た。

映画は浮気性の彼氏との別れ、新たな男の人を出逢いの中で、運命の再会を果たして、結ばれる物語だった。

私が「浮気は嫌だね」と言うと、雅は“しない”と答えた。

“じゃあ直海さんは?”と言いそうになったけど、私は堪えた。

雅を信じたいから。

雅と歩いてると、女の子の視線を感じてしまう。

りっくんたちも、女の子に見られてるけど、雅への視線には、敏感になってしまう。

繋ぐ手に力を込めると、雅は同じ力で握り返してくれる。

それだけで、私は救われていた。