ぎゅっと頭を抱き締められた 子供をあやす母親のように楓が力一杯慰めてくれている この温もりを失いたくない そう思う気持ちと 楓の幸せを願いたい 双方の感情が入り交じる 「楓は今生きたいと思えてるか?」 力を弱めて視線を合わせる 「…どうなんだろうね」 困ったように笑う わからない、といった表情だ 「やりたいことはできてるか?」 「うん…順調だよ」