俺はこの子を守りたいと思った 比べものにならないくらい俺は平凡に生きてきたけど、でも 守りたい、と心の底から感じたんだ 「苦しかったな…」 ギュッと抱き締める力を強くしてあやすようによしよしする すると葉月もギュッとして再び泣き出す それだけのことに言葉で言い表せない気持ちが身体にしみだす …これは一度颯大と話すべきなんだ でも何年もちゃんと話していないようだし、いきなりっていうのは大丈夫なんだろうか 色々と考えていたら 「あの…楢崎先生…」 腕の中から声がした