「怖かったよな」 怖かった。お父さんとお母さんがあんな姿になってしまったことが。その姿で毎晩夢に出てくること。 「寂しかったよな」 寂しかった。その夢から覚めるたびに。そのたびに。一人だって思い知らされた。 「……辛かったよな」 辛かった。近所の人からの心無い視線も。非通知設定のなりやまない着信も。全てが嫌になった。 お兄ちゃんが犯人だということも。タツキさんと別れなくちゃいけないと思ったことも。 タツキさんの吐息が耳元に当たる。 「俺は…」 彼は私が一番欲しかった言葉をくれた。