「………」 「………」 二組に近づいてくると、何やら話し声が聞こえてきた。 藤山くん、一人じゃないのかな。 もし友達と待っているんだったら、そんな中に話しかける勇気は私にはない。 その時は諦めて帰ろう。 ただ、一応、覗いていこう。 一歩踏み出す度に鮮明に聞こえてくる会話は、男女のもののようだった。 唾をごくりと飲み込んで、恐る恐る二組の教室内を覗き込んだ。