ガソリンの流出を防ぐ白い粉が撒かれた跡がトラックの炎上を生々しく語っている。 そしてそこでもやはり望人は焼け残ったトラックの後部にある社名ロゴを、今朝の自分が一瞬、視界に捉えていた事を確認する。 間違いない。 おばあさんに暴言を吐いていたあの運転手は死んだ。 「こッ、ここで速報が入ってきました!」 テレビの中から聞こえてくるアナウンサーの緊張した声が、望人をテレビに集中させる。