｢…早く！誰か救急車を呼んで！！｣

痛い…


｢しっかり！！今、救急車呼んでもらってるからね！｣

誰？女の人の声がする。

『…救急車？』

やけに重くてダルい身体に、鞭打ちながら目を開けると20代のスーツを着た女の人か必死に私を見ていた。

救急車？
なんかお腹が痛い…


｢血が止まらない！誰か、タオル持ってませんか！？｣

｢やだ、あの子刺されたの！？｣

うそ！
マジか…？

すげー血。


あぁ…そうだ私、お腹を刺されたんだっけ


なんでこんな事に…


意識が朦朧とする中、少しずつ記憶を思い出していく…




確か今朝は仕事に行くために電車に乗るから急いでて、でも有りがちな寝坊で素っぴんのまま駅まで体力ないのに全力疾走で走ったんだ。


『ヤバイ！なんで今日に限って目覚まし時計鳴らないかな！？』


ハァ、ハァ、

漸く駅の階段見えてきたけど、階段上がるのが大変！

駄目だ、体力ない…
階段がキツい…


ハァハァ、｢ようやく改札口まできたよ｣

何とか間に合うかな…

｢キャアー！｣

え？悲鳴？