立ち上がろうとした時

「痛っ!!」

膝がガクッとさがった。

よく見ると、右足から血が出ている。

さっきぶつかって転んだときに膝をすりむい

たのだろう。

「痛たた・・・どーしよう;」

「おい、大丈夫か?」

その声は大人っぽくて、きれいな声だった。

「立てるか?ほら」

その人は優しく手を差し伸べてくれた。

「膝、血が出てる。これ使って」

血が出ていることに気付いて、ハンカチを渡

してくれた。

「一人で行けるか?無理なら付き添うけど?」

「あ、大丈夫です。ありがとうございました」