ここは薄暗い森の中、そこにあるのは一軒の小さな家。 そこに一人の女が住んでいた。 「マルティーナ女王……誕生祭ですって!」 ビリビリと音をたて、女は持っていた紙を破り捨てる。 それは、マルティーナ女王の誕生祭を知らせる貼り紙。街の何処からか、剥がしてきたのだろう。 「私(わたくし)の呪いがかからなかったっというの!?」 バンッと目の前にあるテーブルを、力いっぱい叩く。積まれた本が揺れ崩れていった。 「こうなったら、今度は誕生祭で私が直に……」 女は不敵に微笑むのだった……