「…………」 「何をボーっとしている、アルベルト」 「あっ、いや……」 勉強中、グスタフの鋭い目が、僕の方を見ていた。僕は椅子に座っている為、見下ろされる。 ちょっと威圧的で怖い。 「カルハインツが来て、疲れたのか?」 「知ってたの?」 「あいつは騒がしいからな」 呆れた顔をして、いつものように、眉間にシワを寄せていた。 「カルハインツさんって、何者なの?姉様の婚約者って事しか、知らないんだ」 魔法披露の事で焦っていて、クラウスに聞きそびれてしまった。