クラウスにそんな顔をさせるなんて、いったいどんな人物だ? 「今は客室で待たせています。どうします?マルティーナ様」 「どうしますと言われても……」 カルハインツさんって、誰なのかもわからないんだけど。 でも、ロルフの前でそんな事聞けない。 「マルティーナ様は、公務でいないという事にしましょう」 僕の返事も聞かずに、クラウスはそう判断した。 「あのカルハインツだしな」 ロルフにまで凄い言われよう……カルハインツさんが、どんな人なのか逆に気になってきたよ。