「それよりマルティーナ様、ご無事でしたか?」 足早に僕に駆け寄ってくるロルフ、そんなに慌てなくてもいいのに。 「ええ、大丈夫よ」 少し笑って見せると、ロルフは安堵の溜め息を吐く。 「マルティーナ様……そんな呑気にしてないで下さい」 「ご、ごめんなさい」 呆れた顔で僕を怒る。確かにレスターは、ロルフから見れば不審者だ。簡単に信じて話してた僕って、確かに呑気かも。 「マルティーナ様、熱でもあるんですか?」 「なんで?」 いきなり妙な事聞くなぁ、僕そんなに具合悪そうな顔してる?