「何だか、めんどくさそうだから、ボクはもう帰るね」 やれやれと、わざとらしい溜め息を吐く。この状況で無事に帰れるのかな……魔法使いだし大丈夫か。 「じゃあね、アルベルト王子」 ロルフに聞こえないように、そっと耳元で囁かれる。かかる息がくすぐったい。 「それと、ボクが必要な時はこの石に呼びかけて」 何かをを僕の手に握らせた。 見てみると石というか、綺麗な青い宝石。僕の手のひらに、スッポリと収まるサイズ。