「知りたい?」 「え?」 誰もいないはずなのに、後ろで声が聞こえた。その声のする方に、反射的に振り向いてしまった。 「初めまして。アルベルト王子」 バルコニーの手すりに、黒いローブを着た少年が、座って微笑んでいる。 僕と同じくらいの年かな…… 「って、何で僕の事知って……いやそれより、どうやって入ってきて……」 突然すぎる来客に僕はパニックになる、何を聞いていいのかわからない。