何だか余計にドキドキしてきた。 「マルティーナ様ぁ!!」 「え?」 遠くから大きな声で、姉様を呼ぶ声が聞こえる。今は僕が姉様だから、僕を呼んでるんだよね。 「おひさしぶりです、マルティーナ様!」 ダッシュであっという間に、僕の目の前までやってきた。誰だろう?僕と同い年くらいの男の子だ。 深い緑色の綺麗な髪が、とても印象的。意志の強そうなつり目で、僕の事を真っ直ぐに見ていた。 背は僕より少し高いかな。