「レスター……」 レスターの顔から、笑顔は消えていた。本気なんだ、本気で殺されるつもりなんだ。 「あっ……」 ナイフを持ったリリアの手は、カタカタと僅かに震えている。 「でき……ない」 カランと音を立て、ナイフは床に落とす。そのまま、リリアも床に座りこんだ。 「弟を殺すなんて、出来ないわよ!」 「お前……」 「ふざけんなッ!!」 ロルフが何かを言いかけた、けど僕がそれより大きな声で、リリアに向かって叫んでいた。 驚いて三人とも僕の方を見る。