「黙って聞いてりゃ、それが何だよ!」 ロルフは怒りに体を奮わせ、リリアの方へ詰め寄っていく。 「そんなんが、マルティーナ様を殺していい理由になるか!」 「う、うるさい!」 感情に任せ放った炎が、ロルフの肩に当たる。けれど、それもお構い無しにロルフはリリアに近づく。 「だったら、アイツを殺せばいいだろう!」 「え?」 僕とレスターはつい、間抜けな声を出した。 ロルフはレスターの方を睨む。確かにレスターがいなくなれば、リリアの望みは叶うかもしれない。 何より、姉様を狙うよりは正当だ。