「確かに、この非常用通路は、一部の者しか知らないものだな……それに、これはマルティーナの字だ」 さすがグスタフ。姉様の事よく知っている。 「じゃあ、リヒト君の話は真実だね。盗人って事も真実みたいだけど」 満面の笑顔で、レスターは痛い所つく。 「こ、今回は女王に話をしにきただけだよ!」 「そういえば、リヒトは姉様に何を話しに来たの?」 僕の問いかけに、リヒトは静かに口を開く。 でも、このリヒトとの出会いが、後にとんでもない事になるなんて、僕は知るわけも無かった。