真央の弁当が半分に、美咲の弁当があとクリームパンだけになった頃。
とある女子学生が三組にやってきた。
「ねぇねぇ聞いた?二組の直也くんがさぁ」
内緒話にしては大きすぎる声が、少し離れた美咲の耳にも届いていた。
「昨日、すっごい美人なお姉さんと一緒に歩いてるところを見た子がいるんだって」
「えー、うそ。それってもしかして大人の彼女?」
「しかもタクシーから腕繋いで出てくるのも見ちゃったんだって」
学校を休んだはずの直也。
女子学生の噂が本当かどうかは分からない。
「美咲?」
「え……何でもないよ」
それでも心配を裏切られた様な気がして、美咲の胸中は穏やかではなかった。
「で、これは内緒の話なんだけど……」
「えっ、なになに?まだ何かあるの?」
「実はさ――」



