カモミール・ロマンス



その頃美咲は三組の教室にいた。

「うわ、相変わらず凄い量だね」

美咲の弁当を見て真央が驚きの声をあげた。

恐らく男性用なのだろう黒いシンプルな二段重ねの大きな弁当とクリームパン。

「相変わらず真央の弁当はちっちゃいねぇ、それ子供用でしょ?」

「あー、うん。小学校から使ってる」

真央の弁当は美咲とは反対に小さい。

可愛らしいキャラクターがちりばめられた弁当箱。

「それにしても美咲がこっち来るのって珍しいよね。何かあったの?いつもの人達と」

いつもの人達というのは勿論、勇気と翔と直也のこと。

美咲は灰色の雲から目を逸らす様に言う。

「雨降ってて屋上使えないし、久々に真央と食べたいな。って思っただけだよ」

「そっか。私も美咲と久々に食べれて嬉しい」


無邪気に笑う真央を見て、少しだけ胸が痛んだ美咲。

いつもよりゆっくりと時間が過ぎていく。