そして週は変わり、地区予選本番となった。

朝一番で始まった試合。

初めてのスタメンで緊張していたのか、翔からの簡単なパスミスでカウンターをもらい失点してしまう。

相手チームもそこまで攻撃力のあるチームではなく、両チームとも得点できないままに前半が終わった。

「はぁ、はぁ。すいませんでした、オレがミスしたから」

円陣を組んですぐに翔がそう言った。

キャプテンが少し乱暴に翔の頭を掴む。

「ふっざけんな、お前のミスなんかはなから折り込み済みだっつの。それで失点したんだ、誰のせいでもねぇよ」

「その通りだ。いつまでも気持ちを引きずるなよ。後半からは少し攻撃の形を変えていく。1年もポイントで使っていくから準備しておけよ」

「「はい!」」

前半を終えた両チームが攻守の形を修正する。

しかし試合は平行線をたどり、一点のビハインドを取り替えせないままに残り時間は5分を切った。