カモミール・ロマンス



校門では美優が翔のことを待っていた。

翔がやってきたことに気付いて、顔がパッと明るくなる。

「山田先輩!あ、あの部活お疲れさまです」

美優は本当に翔と話せることが嬉しいのだろう、頬を赤らめながらとびきりの笑顔を見せる。

「ありがとう。じゃあ……帰ろうか」

「はい」

いつもより景色が流れていくのがゆっくりで、どうしようもないことを考えてしまう。

もやもやとしたままの会話は何処かわざとらしくて、翔は哀しげに笑っていた。

「……先輩?」

「え、あっ、ゴメン。何の話だったっけ?」

大きな瞳が翔の目をじっと見ていた。

「先輩……やっぱりスタメンに選ばれたこと、良く思っていないんですか?」

「えっ――――!?」