カモミール・ロマンス


「ずっと山田先輩のことを見ていました。これ、受け取ってください」

カバンから取り出したのは、桃色にひよこのシールが貼られた可愛らしい便箋だった。

少女は震える手で、それを翔に差し出す。

「……あ、ありがとう」

便箋を受け取った翔。

少女は「ありがとうございました」とぺこりとお辞儀をして走っていった。

少女が居なくなってからも、まだ翔は去っていく姿を追っていた。