三年生になって初めての昼休み。


「あー、さぼり発見!」

「やっぱりここだったんだねナオ」

屋上に顔を出した勇気と翔が、授業に出ずにずっとそこに居た直也を見つける。

「にしても始業式からいきなり午後まで授業あるってなに?

うちの先生達はSなのか?」

直也の近くにどかっと座って勇気が言う。

翔は直也に「座っても良い?」と尋ねるかの様に、目を見てから座った。

「まぁ、少なくともMじゃないんじゃない?

なんか先生達はりきってたし」

無言の直也。

2人は直也に言及したりはせずに昼飯を食べる。

「……もうずっと美咲はここでご飯食べてなかったけど、いよいよここで食べることはなくなっちゃうね」

4人の中で1人だけクラスが違かった美咲。

翔はうつむきながらそう言った。

「……?

転校したわけでもないのに気にし過ぎじゃね?美咲も笑って腐れ縁がどうたら言ってたじゃん」

ヘラヘラと笑う勇気。

そんな勇気に憤りを感じたのか直也は無言で立ち上がると、歩いていく。

「直也?」

「ごめん、ちょっと1人になりたいだけだから」

背中越しに翔に手を振って直也は屋上から去っていった。

勇気は首をかしげている。