下駄箱の正面の掲示板に三年生のクラスが張り出されている。
二年次にはクラス替えはないので、勇気達にとっては高校で最初で最後のクラス替えになる。
「なぁ、お前何組だった?」
「うそ!また一緒じゃん」
「えー担任ハゲ山じゃんかよぉ」
用紙に書かれたクラスを見て一喜一憂の声が飛び交う。
「おわ、すっげぇ人」
始業式が終わったばかりだと言うのにワイシャツのボタンを第二ボタンまで開けている勇気。
その隣できちっと学校指定のネクタイまで付けている翔と、ブレザーすら持ってきていなくてカーディガンを羽織る直也。
「また皆で同じクラスになれると良いんだけどねー」
「皆で同じクラスになったらクラス替えの意味ないよ翔。ふぁ」
ごった返す人を掻き分けて勇気達が進んでいく。
「よっ、ほっ、とと……」
「ごめんね、通してね」
そうしてようやく用紙の前にたどり着いた。
最前列には美咲と真央の姿もあった。
「どれどれ?オレ達のクラスはどこかな?っと」
5クラスに分けられた三年生。
端から順番に見ていく。
「おっ、ナオは2組じゃん。翔もオレも一緒だ。
……って、あれ?」