四葉はごろんとベッドに横になる。

「でも、まぁ最初あんたから"話したいことあるから二日間かくまって"って言ってきた時はどうしようかと思ったわ。
たまたま仕事休みにしてたから良かったけど」

四葉の言葉に直也は眉をひそめて笑った。

「1人でいるのが寂しくて怖くて仕方ないくせに、周りに甘えようとしないのは直也の悪い所だよ。
今日の友達みたいに無条件で愛情くれる人なんてなかなか居ないんだからね。分かってる?」

「……分かってます」

直也はぐびっと一口お茶を喉に通した。

ほんのちょっとだけ頭から熱が抜けていった気がした。

「オレはさ……あいつらに本当に感謝してるんだ。あいつらと一緒に居てバカやるようになってから、寝坊して遅刻しても学校行こうって思えるようになった」

「うん。うん」

「皆さ、バカみたいに真っ直ぐなんだよ。視線も言葉も行動も全部。」

「うらやましいんだね?」

四葉の優しい口調に直也が無言で頷いた。

「そこまで感謝して何か返したいと思ってるなら、まずは直也が気持ちを打ち明けて甘えることだよ」

「何か返したいのに、甘える?」