「はい、お茶」
ホテルの部屋で直也はベッドに座っていた。
別料金のかかる冷蔵庫のお茶を四葉が渡す。
プシュッという缶を開けた音が、ちょっぴり薄暗い部屋に響いた。
「良い友達持ったね……」
窓の外ではキャッチの男の子が2人の着飾った女の子に必死で声をかけていた。
「で、昨日の何だっけ?自分が嫌いで何処かに消えたくなる時がある。って言ってたよね」
四葉はゆっくりと直也の隣に座る。
直也は何も言わずにお茶の缶を見つめていた。
「私はさ、こんな職業だから話を聞いて楽になれるように手伝いはしてあげられるよ。
でもカウンセラーなんてのはそこまでなんだよ。その人の思考や性格を変えることはやっぱり、その人自身にしかできないんだ」
直也は少しだけ四葉の方を見て、また缶に視線を落とした。
「今直也が苦しんでいることって直也にしか解決できない。でも、直也にはあんな良い友達が近くにいるじゃない。
あの子達はこれからも一生懸命に直也のことを思って、きっかけを沢山くれるわ。あとは直也がそのきっかけを生かすかどうかだよ」
「……うん。」



