カモミール・ロマンス


辺りが暗くなり次第に通りに色とりどりのネオンが灯りだす。

勇気は安堵からか、大きな息を一つ吐くと、その場にしゃがみこんだ。

「あーもう、マジで心配したんだからなぁ?必死こいて走り回ったのに何だよこれ」

勇気はぼりぼりと頭をかいた。

翔が勇気の肩をぽんと叩き、直也に向かって言う。

「でも本当に何もなくて良かったよ。もう絶対にこんなことしないでね?次は本当に怒るからね」

珍しい翔の少し怒った表情に、直也は困った様に笑った。

「はぁ、じゃあ……私達は帰ろうか。そろそろ暗くなってきちゃったし」

美咲にそう言われて勇気が立ち上がる。

そして3人がゆっくりと背を向けた時。

「……あ、あのさ」

直也の声にもう一度振り向く。

直也は目をそらしたままに言う。

「来てくれて嬉しかった。……ありがとう」

3人はにっこりと笑う。

「うん、じゃあ明日ね」

「ん、また明日」

3人が路地を曲がっていく。

いつまでも見送る直也の背を優しく叩き、四葉が笑った。