SIDE優愛
 
『優愛(ゆうあ)しばらくの間、ここでおとなしくしていられる?』
誰だろう…。
光の反射で顔がよく見えない。
『うん。分かったよ!!!早く迎えに来てねっっ!!』
小さい女の子が返事をする。
優愛という私と同じ名前の女の子。
多分、私の小さい頃だろう…。
いや、多分というか確実…だ。
『優愛はえらいねぇ。すぐ迎えに来るから。ほら、建物があるでしょ?そこに入って、こんにちは!って元気よく挨拶してごらん。』
この人は、私のお母さん、なのだろうか。
『分かった。行ってくるね。』
私は、真っすぐ、建物へと向かった。
でも、途中でこわくなったのか、後ろを振り向く。
私が手をふるとお母さんも手を振り替えしてくれた。
私はこの建物を幼稚園だと思っていた。
でも、小学校の高学年になってここが「孤児院」ということがわかった。
私はお母さんに捨てられたんだ…。
『----------っっ』
誰かが私を呼ぶ。
目を覚ますと眞紀さんがいた。
『優愛ちゃん。狂は入学式でしょ。遅れちゃいけないわよー。朝食できているから。もう少しで、皆食べる時間よ。』
『え!あっはい。すぐ用意しますんで』
眞紀さんとは本名桜山眞紀。
20代前半くらい。
私が行く学校の女子寮の若くして寮長さん。
お父さんが学校の校長なんだ。
若いからよく相談など、されているらしい。
『あ!優愛ちゃん。目、冷やしといたほうがいいよ。』
最後に一言言って出て行った。
目?
何のことだろう…と、鏡で見てみると少し腫れていた。
泣いていたのだろう。
着替えが終わって目を冷やしていた。
すると、目の腫れもおさまった。