学芸会が終わって、しばらく経った。


季節は、冬になっている。


街の草木も、葉が散り、枝だけになった。


まあ、とりあえず。


「寒ぃ・・・・・・」


登校中の俺は、寒さに震えていた。


吐く息は白い。


『大丈夫?』


途中で会った、遥に心配される。


ついでに翔平も一緒だ。


「ついでって言うなよっ」


「人の心を読むな」


『今日は、すごく寒いの』


「まったくよねぇ」


「ああ・・・って、美雪っ」


翔平が驚きの声をあげる。


「どうしたの?」


「びっくりするから、いきなり現れるなっ」


どうしてコイツは、気がついたらいるのだろうか。


「細かいことは気にすることじゃないわよ、ダニ並に小さいわね」


「誰がダニだっ」


「返事してる時点でお前だろうが」


「お前かもしれないだろっ」


「いや、あんたよ。翔平」


「・・・・・・」


それきり黙ってしまう。