「痛ってぇーな、何すんだよっ!」


美雪に、後頭部を思い切り引っぱたかれていた。


「だ~れ~が魔王だってぇ?ん?」


魔王のような笑顔で言ってくる。


威圧感タップリだった。


(魔王だ・・・)


「お前だ・・・・・・あ」


どうやら、見たままの印象を口にしてしまったらしい。


見事に墓穴を掘っていた。


そう思ったときには、美雪が蹴りかかっていた。


俺は、とっさに体を反転させる。


俺の代わりに、ランドセルに蹴りが入った。


結構、衝撃がキツイ。


その一発で気はすんだようだ。


「おはよっ。遥」


『おはようなの』


美雪と遥が挨拶を交わしていた。


変わり身の早い奴だ。


にぎやかな朝となり・・・


いつのまにか、俺の緊張は解けていた。


頑張ろうな、遥。


今日のために、ここまで頑張ってきたんだから。