約束のノート

昼休みが終わり、体育館への廊下で。


『きんちょうするの』


遥はカチコチのままだ。


たかがリハーサルなんだから、そんなに緊張すること無いのに、と思う。


「よし、俺がとっておきのおまじないを教えてやる」


翔平がアドバイスをする。


「こうすると、緊張しなくなるんだ」


そう言って、「入」という字をてのひらに書いて飲み込む。


そんなもの飲んでどうなるのだろうか。


遥も翔平と同じことをする。


アホふたり。


だが、そんなことで緊張が止まるはずは無く。


『まだきんちょうがとまらないの』


「うーむ。じゃあ・・・周りは全員美雪だと思う。これでどうだ?」


またアホな提案をする。


「いや。それだと魔王の力で、逆に緊張しちゃうか・・・」


しかも本人の前で墓穴を掘っている。


「誰の力が魔王の力よっ!!」


「いでっ」


美雪が、平手打ちを翔平の頭にかましていた。