約束のノート

あっと言う間に日にちは過ぎていく。


リハーサルの日を迎えていた。


次の5、6時間目にはリハーサルをしようという、昼休み。


4人で、台本を読んだりしている。


遥は、見るからにカチコチだ。


緊張のあまり、台本を逆さにして読んでいても気づいていない。


端から見ると、とてもアホな子だった。


「遥、台本逆さよ」


美雪が指摘する。


「・・・・・・」


だが、遥は頷くだけ。


まるで耳に入ってないようだった。


「遥、練習どおりやれば大丈夫だって」


この数日で、遥は本当にうまくなったから。


不器用だけれど、一生懸命やったのだから。


「・・・・・・」
うん。


頷くが、自分の台本が逆さだということに気づいていない。


(大丈夫か、こんなで・・・)


「遥、クモが近くにいるぞ」


遥はクモが苦手だ。


前にクモを見かけたときは、大変だった。


どう大変だったかは、想像に任せる。


「・・・・・・」
うん、とだけ頷く。


だが、動揺もしない。


結局、遥はカチコチのまま、昼休みが過ぎてしまった。