5時間目の授業のあとの休み時間。


だりぃな・・・今日は6時間授業か。


「よお、光一」


後ろの席から声をかけられる。


振り向くと、にやけた顔がそこにあった。


クラスメイトの、山田 翔平。


1年のときからクラスが一緒で、そのころからずっと仲がいい。


「なんだ、翔平か」


「なんだ、は無いだろ。せっかく話し掛けてやってんのに」


「いや、実はな・・・お前に話し掛けられると、体がかゆくなるんだ」


「どんな病気だよ、それっ」


「冗談だ、マジにとるな」


「ハァ・・・お前はいつもそうだよな。無愛想でクールっぽいのに、キツメの冗談ばっかり言いやがって」


「つーかさ、6時間授業とか、だるくね?」


「そうよねぇ」


不意に、別の声が割り込んでくる。


「まあね・・・って、うわっ!美雪っ!!」


翔平が驚いて声をあげる。


振り向くと、ひとりの女子が俺たちの席の前に立っていた。


俺の幼馴染で、中山 美雪。


4年生までは同じクラスだったが、今は隣のクラスだ。


でも、休み時間にはたまにこのクラスに来たりする。