「じゃあ、来週の土曜な」


「ああ・・・」


「片岡さん。本当に・・・ありがとう」


最後に山本が、遥に礼を言って帰る。


裕二たちも、それに続いた。


俺たち4人は取り残される形になる。


「・・・なんか、大変なことになったな」


翔平が呟く。


「遥のせいだからね」


美雪が遥を見て言う。


『ごめんなの』


「ま、いいんだけどね。あいつらの気持ちも分かるし」


「なんか、青春ドラマみたいな展開だな・・・」


「練習でもするか。遥ちゃんのためにな」


「そうね。負けたらあたしたち主役降ろされるし」


俺たちは、そう言ってボールを取りに体育倉庫へと向かった。


練習している間、俺は考えていた。


ここで負ければ、もう遥を傷つけずにすむんじゃないか・・・


主役を降ろされて・・・


目立たなければ、森野の一件のようなこともないんじゃないか・・・と。