約束のノート

「いやー、終わった、終わった」


練習終了後に、翔平が言う。


「まあ、よかったな」


「そうね」


「・・・・・・」


他の奴らが明るい中、遥は浮かない顔をしている。


今日の練習で失敗ばかりだったからだろう。


「遥、元気出せ。誰だってミスはするさ」


「・・・・・・」
うん・・・


「そうよ。あたしだって、うまいわけじゃないんだから」


「いいか、遥ちゃん。最初からうまくできる奴なんていないんだから、少しずつでも頑張ればいいんだよ」


「お前は、最後までうまくできないよな」


「俺、いいこと言ったでしょっ!」


遥の顔が、にこっ、と笑顔になる。


『ありがとうなの』


その笑顔を見て・・・


ちょっと照れくさくなった。