約束のノート

練習が再開される。


皆、割と真剣だ。


俺なんかは、普段はこんなことはテキトーにやるのだが、今回はそうはいかない。


遥と一緒に頑張るって決めたから。


皆で頑張ると言った以上、中途半端なことはしたくない。


途中、遥は何度もミスを指摘される。


他の奴らもミスはしているが、それと比べると、遥のミスの数は多い。


今まで、表舞台に立ったことが無いからだろう。


不器用な姿だった。


けど、一生懸命に。


本当に、一生懸命にやっていた。


―――この頑張りに、報いてやりたい。


真剣に、そう思えるのだ。


・・・・・・・・・


ふと、遥を睨む視線を感じる。


・・・・・・森野だ。


忌々しげな・・・でも何かを我慢しているような。


そんな視線だった。


何をしてくるか、分からない。


・・・気をつけないとな。