ま、それはさておき。


とにかく、今日のこれは啓太に対する、チッポケな“反抗”。

そんで、今日は絶対に部屋から出ないと決めているあたしなわけだ。



多分、いつまでも、こんな生活してたら、お互いのためによくないんじゃないかな。


あたしは早く未来の本当の啓太の彼女さんとバトンタッチして、あたしはあたしの恋をするべきなのよ。


うん。


そしたら、普通に、友達として、仲良くできる。



ただ、そう割り切れない理由というか、つっかえがあるから問題なんだよ。



観覧車のキス。

その日からおかしいあたし。


意識してる。それは、否定できない。

でも、こう考えたらどうだろう。



相手が誰だろうと、キスされたら意識くらいするでしょ?

全然好きじゃない人からされたって、やっぱり意識くらいするよね?


しかも、大切なファーストキスだし。



だから、そんな、啓太だからとかじゃなくて…偶然初めてのキスが、啓太だったってだけで…。


だからじゃないの?ねぇ、あたし。どうなの?



はぁ、だめだ!頭が回らない。

気分転換に、映画でも借りに行こうかな。



そう思ってた時、ケータイの着メロが鳴った。

メールは啓太からだった。



『助けて!緊急出動!汚れてもいい服と、軍手持参!』


「はぁ?」


助けてって…何じゃい。

しかも緊急出動って?!


いや、だめだめ。


今日は行かない……行かない………



……って決めてたのに〜!

ダメ!やっぱりほっておけない!


これじゃ結局、奴の思うツボなのに…。こういう場合意思が弱いって言うんだろうか?

頭では分かっていても、着替えて、出かける準備をしてしまうあたしだった。