あたしはバスに乗り込むと、ぼんやりと外を眺めた。


光で溢れる街。

幸せそうに手を繋ぎ、腕を組み歩く恋人達。


イルミネーションのせいか、車のライトのせいか、彼らがすごく眩しく見えた。



やっぱり、両方が同じ気持ちで想い合ってるって、すごい事だよね。

奇跡だと思う。


どのくらいの確立だろう。

世界には沢山の人がいるのに、その人と出会って恋に落ちて、両思いになれるなんて。




でもそう考えたら、あたしと啓太が出会ったのだって、何かの縁だったって思いたい。


あの日、ベッドで鉢合わせたのも、あたしが酔っ払ったのも、啓太がちょうどコンビ二に出かけていたのも、運命だって思いたい。



あと少し。

あと少しで、マンションに着く。


あたしはしゃんっと背筋を伸ばした。



もし、もしだよ?

もしも、今日、描いていたような幸せなクリスマスが過ごせたら……あたし、啓太に告白してもいいかな。



やっぱりホンモノになりたい。


逃げてばっかりじゃいけないと思うから。



断られても…しんみりするのはやめよう。

笑ってれば、きっと大丈夫。

大丈夫だよね…?



それに不思議な確信があるんだ。

きっとあたし達は、想いあってるはずだって。



ひどい思い込みだけど、信じなきゃ始まらないでしょ?