その10分が…今はとても長く…感じる。 ハニーとベビーの無事を心の中で祈る。 祈ることしか出来ない…俺がとても情けなく思える。 汐音は心配そうに手術室の扉をジッと見つめていた。 汐音は待ちきれないのか…ベンチを立って…扉に近づく。 「汐音…こっちに来なさい」 俺は汐音に手招き。 焦る気持ちは俺も理解出来た。顔では平静を装っているけど…内心は汐音と 同じくらい焦っていた。 このまま…手術室へ飛び込んで行きたい…。 何も出来ない俺だけど…ハニーの手をしっかりと握っててあげたかった。