クリスマス・ハネムーン【ML】

 キスマークを見られた上、確信を持って言われている以上。

 ハニーとの仲を否定は出来ず。

 僕は、ため息をついた。

「傷は、霧谷さんがつけたワケじゃないよ。
 それに……悪いけど、僕のパートナーは、霧谷博士以外、考えられないから」

 ジョナサンの想いには、応えられない。

 そう、はっきり言えば。

 彼は、更に食い下がった。

「本当に、霧谷博士が怖くて何も言えないワケじゃないのか?
 Youは、自分のパートナーが帰って来る桟橋に、迎えにも出ない。
 Mr.の方でも、俺にYouを頼むのは、眠っている時だけで。
 起きたのを確認したら、あいさつも特にせず、さっさと警察署に帰れってさ。
 ……普通。
 愛しい人を守ってほしいと思うときは。
 自分が帰って来るまで守っとけ、とかって言わないか?
 依頼が変に中途半端だし。
 実は……仲が壊れかけてるんじゃないか?」


 こ……壊れかけだって!?

 ハネムーンの最中なのに、縁起でもない!


「僕と霧谷さんは、ラブラブです。
 壊れません」

 不機嫌に言い返せば。

 ジョナサンの方は、まだ何か言いたいようだった。

「……でも」

「うるさい!」




 ぷちっ!



 僕のコトを心配してくれているようではあるものの。

 野郎のくせに、未練がましく何か言っているのが気に食わなかった。

 しかも、コイツ!

 普段ではありえないほど、僕の近くに寄ったまま。

 僕の髪に……頭に触りやがった!

 何が、僕が良いというまで、触らない、だ!

 それが、ジョナサンの方は、特に他意が無く。

 互いの距離が近いことによる、ほとんど無意識みたいだったけど。

 普通、頭を触られたぐらいで、セクハラだと訴えるヤツはいないだろうけどっ!

 僕は、嫌、なんだっっ!